本文へスキップ

誰でもが安心して医療が受けられる社会を目指して

ご報告
施行から5年以内とされる難病法を見直す作業が来年から始まるのを前に、今回の難病フォーラムはご協賛、ご協力をいただいた団体及び個人と182名の参加者によりJA共済カンファレンスホールにおいて盛会に終了しました。
伊藤たてお実行委員長は冒頭のあいさつで、昨年のフォーラムで講演した堤未果さんが現在の利益優先社会等を「今だけ、自分だけ、お金だけ」と表現したことに触れ、現状は難病患者も尊厳をもって地域で生活することのできる共生社会の実現を目指す難病法の理念とは真っ向から対立するものと批判し今フォーラムが難病や長期慢性疾患の患者・家族団体の活動が一層大きく発展する出発点となることを願ってやみませんと結びました。
第一部の患者・家族の声は6名の希少疾患、長期慢性疾患の方が登壇しました。今回は6名とも当事者の発表となり、まさにご本人の現状や思いなどを表した患者の生の声を聞くことができました。
休憩をはさんで第二部はパネルディスカッションです。4名のパネリストの発表に共通していたのは、難病対策の歴史または経過の再確認から現状の課題等に焦点を当てたことでした。最初に過去から未来を展望した森幸子氏(JPA代表理事)は「難病法は重症の方だけ、障害の重い方だけを支援する制度ではなく、予防することが困難な想定外の難病発症という事態に対して、通常の医療保険制度を超えて、公に対応する制度だと思います。」と述べ軽症者を重症化させない制度の重要性などを強調しました。
次に福島慎吾氏(難病のこども支援全国ネットワーク専務理事)は、残されている問題として20歳で切れてしまう小児慢性特定疾病のトランジション等を取り上げ、難病法における附帯決議の実行と全ての児童の適切な養育と生活を保障する権利を明記した童福祉法の精神を忘れないでほしいうことを要望しました。
専門医の立場からは、五十嵐隆氏(国立成育医療研究センター理事長)が発表されました。五十嵐氏は難病法の課題として「軽症の状態からの治療は重症化を防ぐ観点から、支援対象の制限について再考の余地がある。」「指定難病に指定されていない難病が少なからず存在する。」ことなどを挙げ、小児慢性特定疾病対策の課題としては「小児慢性特定疾病の候補となりうる疾患が取り残されている。」「指定難病DBと小児慢性特定疾病DBとが連結化されていない。」「多くの地方自治体では小学生までに小児の医療費助成が行われ、小児慢性特定疾病として国に登録されない例が少なくない。」「診断書料が有料。」等を指摘しました。
最後に川野宇宏氏(厚生労働省 健康局難病対策課課長)は、これまでの患者団体からのヒアリング等を基に難病・小児慢性特定疾病対策の更なる推進に向けた懇談項目として、1.医療費助成・医療提供体制について 2.軽症者を含む難病患者のニーズについて 3.研究の推進について 4.小児慢性特定疾病児童等自立支援事業について 5.その他の5項目を挙げました。
難病フォーラムは今年で9回目となり安定した開催でした。一方、来年は10回目の節目となり、また2020年の通常国会とされる改正難病法の提出を視野に入れた大詰めを迎えます。そのため、次回に向けて今回のフォーラムで提起された課題等を十分に踏まえた上で実現に向けて多くの関係者(団体・個人)の協力とさらに社会全体を取り込む活動が必要になります。今回はまさにその出発点という位置づけでした。

新着情報新着情報

2018年11月20日
「資料及びPhoto Report」を掲載しました。
2018年10月10日
「ご協賛のお願い」を追加しました。
2018年10月5日
サイトをオープンしました。

新着情報開催要項

名 称 難病・慢性疾患全国フォーラム2018
‐誰もが安心して医療が受けられる社会を目指して‐
主 催  難病・慢性疾患全国フォーラム実行委員会
  一般社団法人日本難病・疾病団体協議会(事務局)
厚生労働省「平成30年度難病患者サポート事業」補助金
開 催 2018年11月17日(土)11:00〜16:00
会 場 JA共済ビルカンファレンスホール 1階ホールA−E
 〒102-0093 東京都千代田区平河町2-7-9 JA共済ビル1F 交通のご案内(外部PDF)
参加者 182名
参加費 1,000円(当日資料代として)
懇親会費 1,500円  ※懇親会に参加を希望される方のみ。
チラシ(1.6M)  開催要項 参加・賛同団体一覧 ご協賛・ご協力いただいた企業

新着情報プログラム

 時間配分は目安です。
時 間 内 容

11:00
 司会 竹内公一(胆道閉鎖症の子どもを守る会)

開会・主催者あいつ

 伊藤 たてお(難病・慢性疾患全国フォーラム 2018 実行委員長、日本難病・疾病団体協議会 理事会参与)
 
  来賓あいさつ
政党代表
 公明党衆議院議員 古屋 範子 様
 立憲民主党衆議院議員 初鹿 明博 様
 国民民主党衆議院議員 吉良 州司 様
 日本共産党衆議院議員 高橋 千鶴子 様

新しい難病対策の推進を目指す超党派国会議員連盟
 事務局長.公明党衆議院議員 江田 康幸 様

国会議員
 公明党参議院議員 山本 博司 様

厚生労働省
 健康局難病対策課 課長 川野 宇宏 様
その他
 石田昌宏自由民主党参議院議員秘書 五反分 正彦 様(石田議員のメッセージ紹介)
11:30 第一部 患者・家族の声(6団体より発表)

  「それでも私は前進します」  
    井上 咲季(ウェルナー症候群患者家族の会)
     資料  講演要旨
  
  「少ない患者と家族をつなぎたい」
    高橋 満保(膵島細胞症患者会)  
     資料  講演要旨 

  「環境は変えられる」
    丸山  博(PXE JAPAN(弾性線維性仮性黄色腫および網膜色素線状症 当事者の会) ) 
     資料  講演要旨
 
  「骨系統疾患の現実と未来を考える」
    毛利 環(つくしの会(全国軟骨無形成症患者の会)) 
     資料  講演要旨

  「2016 年度血液透析患者実態調査からみた 透析患者の現状と課題」
    榊原 靖夫(全国腎臓病協議会)  
     資料  講演要旨
 
  「原発性硬化性胆管炎(PSC)の患者の思い」
    古川 祥子(日本肝臓病患者団体協議会)  
     資料  講演要旨 
12:30 <休憩>
13:15 第二部 パネルディスカッション
 
 テ ー マ    「難病法・改正児童福祉法の5年見直しに向けて」
 パネリスト   川野 宇宏(厚生労働省 健康局難病対策課 課長)
         資料  講演要旨
 
         森 幸子(日本難病・疾病団体協議会 代表理事、全国膠原病友の会 代表理事)
         資料 資料2(付帯決議) 講演要旨
 
         福島 慎吾(難病のこども支援全国ネットワーク 専務理事)
         資料  講演要旨
 
         五十嵐 隆(国立成育医療研究センター 理事長)
         資料  講演要旨
 
 座   長  伊藤 たてお(難病・慢性疾患全国フォーラム 2018 実行委員長、日本難病・疾病団体協議会 理事会参与)

(後半は質疑応答及びフロア発言)
15:30 全体まとめ
15:45  フォーラムアピールの提案と採択
 本田 睦子(認定NPO法人難病のこども支援全国ネットワーク)) 
 
15:55 閉会のあいさつ 
 長谷川 三枝子(公益財団法人日本リウマチ友の会)
16:00 閉会
   
16:30 懇親会(会場内)

バナースペース